『ホームページ』誤用を改めましょう

日本語サイトで『ホームページ』と云う言葉の誤用が目立ちます。
このページは、その誤用を改める提案をまとめたものです。

『ホームページ』とは何か

• ウェブサイトを訪れた時に表示されるページを『ホームページ』と呼ぶのが本来の使い方です。ウェブサイトは一般に多数のページを持ちますが、その中から特定の１ページを指し示すのが『ホームページ』という言葉です。
  • World Wide Web が開発された UNIX と云う OS では、ホームディレクトリ (home directory) と呼ばれる概念があります。これは、UNIX 利用者に特定のディレクトリを作業域として割り当て、利用開始（ログイン）時にそのディレクトリが利用可能になると云うものです。これは、無数にある町の中から、特定の故郷をホームタウン(home town)と呼ぶ時と同様な home の使い方です。
  • home page と云う用語は、CERN httpd, ncsa http, Apache httpd などで当初から使われてきましたが、特別に新しい概念を指し示すのではなく、home のこうした一般的な使い方であるに過ぎません。

どう誤用されているのか

• 放送局
  • 番組（または局）の情報発信サイトを紹介する際に、番組（または局）のホームページを参照して下さいなどの発言およびURL表示をする（URLで表示される１ページのみを指す意でない限り誤解を生じる）
  • 報道内容に不適切と考えられるホームページの表現で報道される（情報源側がこうした表現をする場合も考えられる）
  • 筆者が鮮明に記憶している、ある文書作成ソフトの不具合に対して当該ソフト開発会社がした記者会見の報道（改変による誤報の例）。『対応は弊社「ウェブページ」で掲載…との会見趣旨を、弊社「ホームページ」で掲載…』と改変した字幕で報じた。
• インターネット・サービス・プロバイダ
  • 自社運営ポータルサイトページや情報発信サイトページ、およびユーザのウェブページを、それぞれホームページと誤って表現する
• ドメイン・レジストリ／ドメイン・レジストラ
  • 自社サイトページ、および顧客のウェブページを、それぞれホームページと誤って表現する
• 新聞社
  • 自社運営ポータルサイトページや情報発信サイトページを、それぞれホームページと誤って表現する
  • 報道内容（紙面、サイト報道）に不適切と考えられるホームページの表現が散見される（情報源側がこうした表現をする場合も考えられる）
• コンピュータメーカ
  • 極めて不適切なソフトウェア名称の例。言葉『ホームページ』を冠したHTMLエディタを販売している（１ページしか編集できないソフトでない限り不適切な命名と考えられる）
• 個人サイト
  • 私のホームページと呼ぶ。

どんな表現が望ましいか

• ウェブページと呼ぶのが一般的です
• 掲載する多数のウェブページ全体を示す場合は、ウェブサイトが一般的です

改める為の方策

• 誤用されている事実の周知が必要です
• メディアの場合、校正担当者が言葉本来の意味を知る事が特に重要です。
• 当ページをご覧になり当主張をもっともお考えになられ、更にメディアにコンタクト可能な方（お知合いがいる等）は、是非とも当該メディアにお知らせ下さる事を筆者は強く希望します。
• インターネット関連産業に於ける誤用は、無知によるものとは考えられないので深刻です。仮に無知のよるものであれば尚更深刻です。
• メディアが率先して自らの発信情報（自サイトを指し示す表現）の誤りを改める
• メディアが取材で情報源の誤りに気付いた場合は、誤りを指摘し、改善を促す

更新履歴

2008-01-07

誤用例に「ドメイン・レジストリ／ドメイン・レジストラ」を追加

2008-01-02

W3C Validation 対応および誤記訂正

2007-12-31

掲載開始

改められない場合に想定される影響

• 経緯を知らずに言葉を覚え外国で恥をかく
• 日本は外国文化を曲解して採り入れると云う実例を残してしまう

これまでに改められた言葉の実例

• 看護師
• 認知症
• ソープランド